Sさまのオーダーパンツ
こんにちは、テーラー・ダンディの池原でございます。
本日は、大阪市のSさまからご注文いただきました、
オーダーパンツのカッティングの様子をご紹介させていただきます。
前々回の投稿で、色違いの服地でご注文をいただいておりました。
上がNさまからのご注文で、
下が今回のSさまからのご注文です。
少し色が濃くなっているのがお分かりいただけるかと思います。
Ermenegildo Zegna 15Milmil15
Wool 100%
ゼニアのスーツ地ラインナップの中では最高位に位置する15Milmil15 。
こちらは梳毛の綾織で、服地の表面がミルド(起毛)に仕上げられています。
服地にキズやムラがないか等、検査を行い、
霧吹きとスチームで両面ともアイロンをあて、
伸縮を抑えるために、ひと晩寝かせてからカッティングにかかります。
Sさま専用の型紙を作成し、服地の地の目に添ってパーツを並べます。
パンツのうしろ身頃の裾部分、股上部分から裾まで、地の目を通します。
マーキング、うしろ身頃の脇部分のひざ位置の合い印。
うしろ身頃の股上、ダーツ部分のしるし。
うしろ身頃のセンタークリースのライン引き。
うしろ身頃の尻ぐり部分の縫いしろ入れ。
うしろ身頃のポケット上部、ダーツのマーキング。
ポケットの口は、カーブを描きます。
前身頃の小股部分。
前身頃の内股部分。
前身頃のタック(プリーツ)入れ。
マーキングを終えたあとは、もう一度寸法の確認を行います。
ここからは、カッティングの様子です。
うしろ身頃の尻ぐり部分のカット。
うしろ身頃の内股部分。
うしろ身頃の股上部分。
ダーツのノッチのしるし入れ。
前身頃の小股部分。
『ワサ』を落としている様子です。
一旦服地を平らにしてからカットを行います。
前身頃の裾部分を切り落とし、カッティングは終了です。
続きましては、
前身頃のセンタークリースにしつけ糸でしるしを入れます。
切り躾(業界用語で きりび とも言います)を入れるために、
余分な糸をカットします。
上の服地をめくって、服地本体を切らないように注意しながら糸だけカット。
さらに上側の余分な糸もカットします。
全てのカットを終えました。
Sさまこの度もご注文ありがとうございました。
ビスポークテーラー・ダンディ(工房併設のテーラー)
大阪市中央区松屋町7-3
Tel:06-6762-2901